Sunrain/木立 悟
 




小さな子らが
涙を浮かべた目を見つめ
虹の瞳だ と言った
たくさんたくさん 集まってきた

特別なことは何もない
すべてを
ただ恐れているのだ
と言った




蒼い笑みの帰り道
まなじりの乾き
片目の痛み
空の痛み

羽を持つものを
またひとつ 見殺しにした
青空の行き着く先
煉瓦の街

蓮には
空と水の境はなく
皆どんよりと
濁った朝を迎える

有機の柱のひとつひとつが
珊瑚になり花になり
羽になり光になり
曇へ曇へほどけてゆく

雨の合い間の光がそそぎ
大陸を照らし 去ってゆく
砂の上の
誰もいない都市の
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