長い夜遊び/遙洋
 


おわらない夜にする賭け事は
滅びた国のうしなわれた勝利を
追い回すようなもの
順繰りの敗北が
波形となってあらわれる
一千と二夜と永遠
うみがある
くらいうみ
死んだ人たちの
足音がゲームの本質をつらぬく
不謹慎だが
通貨は清浄でうつくしい
そして真空をとびかう
うるおう高波が
ひとの破滅の歴史を覆っている
けれど
覚めない夢のような夜には
あたりさわりのない
誰も滅ばない遊びなどできない
あさがあるのだ、身も骨も
財布も溶けて
熱の中の気体となるだろう
はてしなく遠いあさ


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