先遣隊/草野春心
 


  敷き詰められるように並んだ
  黒い車たちは、なにものかの無意識の
  先遣隊としての役割を負っていた
  砂の詰った頭蓋で老人が嗤うが、
  可笑しなことは殆どひとつもない
  嗚呼、初秋だというのに、空は眩しすぎたし
  枯れ葉はおまえの足下で 硝子のように割れていた



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