トラッシュ(覗き込んだつもりが実は)/ホロウ・シカエルボク
 



空は、終わっているものたちで溢れていて、術のない鳥たちが嘆きながら羽ばたいている、雨模様から懸命に抜け出そうとする太陽は、幸せを主張しすぎて磨耗した群衆を疲れさせている、誰の言葉も届くことなんてない

飲み尽くされ捨てられた路上の缶コーヒーの飲み口に一匹の羽蟻が迷い込み、加糖飲料の暗闇の中に作成された絶望を覗く、解読されることのない黙示録のようなそれは、空気に侵食され緩やかに腐敗しながら、エンドロールを提示し続けている

排水溝に潜んでいる得体の知れない生物、もとは誰かが飼育していたものだった、彼は必要のない余り物ならすべて食った、そうして太り続け、よりよい獲物を求めたが、欲望
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