太陽と背伸びする乙女/ヨルノテガム
山脈や湖が私の臓器である
海流や雲海が指先から皮フに走り寄せる
各地の毛細血管で猫が平和に
寝ている欠伸している
私は月の鏡を覗きこみ、睫毛にこんもり
オーロラを載せてオシャレをきめる
誰か
星々と糸をつなぎからませ
誰か
空へ涙零し大気圏まで青く潤す
私かしら
地上の花畑をイヤリングに
私かしら
四季を奏でる風の便りをドライヤーで
髪に撫でつけ記憶する
あの太陽も見てるかしら
私のこと
時が来れば
太陽は私を奪いにくる
私は私から
もう一つの
地球を産み落とすよてい
巨大な脚が生え
巨大なマグマを吐き蓄え
巨大な目をみひらいて
笑ったり悲しんだりは
もうしないのかもしれない
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