夜になればかえるは/Debby
 
# どこへ行くの?

 彼は車の運転がとても上手だったの、とあなたが言ったとき。僕らの街のどこかに、ささやかな亀裂が走る音がした。それは、きっとビルの下に大した意味も無く存在するあの隙間で、一匹の蛙だけが聞いた音で、でもそれを分かち合いたいと僕たちはずっと思っていたのだけれど。彼はとても車の運転が上手だったの、彼女はそう繰り返した。
 とても遠い場所で飛行機が落ちていた。浅黒い肌をした男が、ずっとミュートをかけたままアコースティックギターを弾いていた。深海魚が振り返った海の底みたいな気持ちだったので、ずっと遠くまで歌声が響いていたので。

# ぼくが間違っていたよ

 友達の声が聞き
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