祝祭日のテーマ/青土よし
 
俺はマルボーロに火をつけて食べた。
駅前の寿司屋から女が叫びながら出て来て
パトカーのサイレン、狂騒が
からからに乾からびてぱりぱり
剥がれ落ちていった。
コカ・コーラの自販機
の隣にコンドームの自販機
の隣にポップコーンの自販機
が置いてあって俺は、ますます
マルボーロに火をつけて
ますますマルボーロに火を
マルボーロ、火をますます、マルボーロ、につけて
食べる、火をマルボーロに食べる火を、つけてマルボーロ。
風呂屋でルー・リードが歌っていたんだ。
歯を磨きながらそれを聴いていたんだ。
あしたもう間に合わないから俺は
歯を磨きながらルー・リードについて考えていたん
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