蝮/山部 佳
 
コンクリートの通路の上で
のたくっていた

その姿で、生命を与えられたものは
私に向かって鎌首を上げた
私は何の躊躇いもなく
その頭を、コンクリートに踏みつけた

ごりごりと
頭蓋骨が砕ける快い感触
そのものは、胴を私の足に絡めて
弱々しい力で締め付けようと

血と肉のミンチになった、そのものは
踏みつけた足を離しても
まだコンクリートの砂埃の上で鱗を蠢かし
私は初めて、燃えるような怒りを覚えた

ブロックをその上に載せ
ブロックの上に載って
何度も何度もジャンプした
そのものは、血の滲んだ煎餅になった

血も乾いて、干からびた蝮を
草むらの中へ、蹴り飛ばして消した
砂漠の砂に、血を吸わせた
聖戦士の気分で

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