ライン/ホロウ・シカエルボク
書き連ねられた言葉には偽りがあるだろう、それが真に正直な思いなら初めから言葉などに化けはしないだろう、何か引っかかるものがあるからこそそいつは言葉に化けた、正直な言葉など万にひとつもないのだ
ある晴れた日曜の朝、騒がしい街の中を人の波を縫うように泳いで、繁華街の一番端の錆びた商店の廃屋に忍び込んで、ひとりの娘が首を吊った、十代の終わり間近の、肌の白い娘だった、青白く変色して、体内のあらゆるものを排出していたが、表情はまるで眠っているように穏やかだった、昼には臭い始めた、おかげですぐに発見されることが出来た、もしかしたら彼女はそんなこと望んでいなかったのかもしれないけれど
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