ぼくらが旅にでない理由(ゴル投稿)/百均
。それからまもなくして、男は町から出て山を登っている最中に崖から落ちて死んだ。そういう知らせがなんとなく届いた。
それから、今度は私がみんなの前で話をする番になった。私は男が一年かけて集めてくる旅の話と同じみたいな架空の旅話を小さな子供達の前で代わりにすることになった。それでも私はうまく話すことはできても、子供達から細かいを聞かれた時には、なにも答えられなかった。私は些細な質問が一番嫌いだった。なんでその時林檎を買って食べたのかなんてしらない、私は林檎しかしらない。私がしっていることなんてそんなにないの、なんていえるわけがなかった。
兵隊がドアのノックを叩き、私はそれに応じ、兵
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)