木霊/……とある蛙
 
今まで歩いて来た道の途中に
弱くなってきた自分がいる
山が過ぎてしまえば忘れてしまうはずなのに
心の中に悔いが積もり積もってしまい
泣けてくるのはなぜだろう。

音のない木霊が聞こえる

音はしないが空気の振動が
僕の心を振るわせる。
心が泣き出すと
感情が止まらないのは
なぜだろう。


瞼を閉じて
じっとしていると空気の振動が通り過ぎる
僕の心を振るわせているが
そのうち次第に消えて行く
感情の昂ぶりも停止する

その方が泣いているばかりよりは
少しは増しだろうか。

瞼を閉じた方が
本当に少しは増しだろうか。

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