無言歌/葉leaf
 



永遠に続いている昨日がすべての政体を照らし続けるので
僕らは誰にも嫁がない花嫁を選挙した
完璧すぎて誰も釣り合うことのできない花嫁を
花嫁は昨日を打ち倒して美しい行政を織り上げた
僕らは今日を迎え明日を組織する

誰の足も届かない島の上で
無機物の革命は繰り返された
土と砂と石とが入り乱れて覇権を争った
だがそれはただのハリケーンだったのかもしれない

花嫁はやがて狂って僕らより先に死んでしまう
福祉は治安は計画は花嫁の美しい肢体とともに失われてしまう
誰かが花嫁を娶らなければいけない
花嫁と同じだけの裂傷のような狂気を持つ者が
それで僕は花嫁と結婚し子供が産まれた
乳飲み子は母親の腕の中で革命それ自体だった

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