ミルキーチッツ「アゲハ色」/
花形新次
空一杯にアゲハ蝶が飛んで
アゲアゲだった夕暮れ
川沿いで働く貴女に会いに行く
僕の心もアゲアゲだった
僕の分身達が
貴女のアゲハ蝶によって
2時間後
この世界へと導き出され
排水口から
川へ流れ
やがて海に着く頃には
空はもう
真っ暗になっている
悲しみアゲハ色
来年の今頃
僕の分身達は
この場所に戻って来るのだろうか
(ミルキーチッツ詩集「生殖」より)
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