隻影を求めて(三)/
信天翁
しらはえの囁きで「生」を感じ
ゲリラ豪雨の喚きで「老」を知らされ
気圧の変わり身で「病」をおぼえ
木漏れ日のしわぶきで「死」におののいた
あの青い年頃から
赤い季節を経て 白い年代は霞み
黒い齢(よわい)が 終末期に近づいたいま
呟いてみる
よぉ 幼馴染の同輩たちよ
お互いに遠のいてしまったが
四次元を超えて反芻しようぢゃないか
まともなむなしさの意味あいを
戻る
編
削
Point
(3)