透明な月がのぼる場所(ゴル投稿)/百均
われた
僕は少しだけ反対し
彼もそうだなといって
ブラインド越しに星一つない空を見上げた
けれど、僕たちはすでに夜という言葉すら失いかけていた
林の中でいくつもの見たことのない生き物や木々の細かい腺、葉の形が見えた
草花を見た、けれど僕にはそれらをうまく形容する言葉も、意識もなかった
その時、奥の方に白い影を見たようなきがした
「なにかあったのか」
「いや、」
僕の目は足は影を追っていた
僕は初めて人から貰った無線機を地面に投げ捨てた
光に包まれた最後の日に
あらゆる場所で
あらゆるものが崩れていくなかで
あらゆる温度がすり減っていくしかない
穴だらけの場所で
穴ひとつない空を仰いでは
穴を掘り続け
最後に点けた炎が
あらゆる比喩を纏めてそらにうちあがると
僕に見えなかったものを映し出した
即興ゴルコンダ(http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=4850616#10667845)
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