誰かが許してくれない/中山 マキ
 



それが個性と言われても
器用に生きられないだけ、何の慰めにもならない
優しさは偽善に紛れて間違え易く
容赦のない人種には一粒の反撃にもならない

何も聞かなければ、何も傷つかないのかな
耳を塞いで、何も聞こえなくても
怪訝な視線に煽られて
どうせわたしは傷つくのだろうと思う

叩かれて転んで血が出ても時間が経てば治るよ
大丈夫
治らない場所は見えない所にあって
これでもかというほど土足で踏みにじられている気持ち
毎日傷だらけになるような

手を取り、あなたと
抱き合っても、抱き合っても
誰かが許してくれない
わたしがわたしのために生きることを
誰かが許してくれない気がして






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