不器用な獣の手のひらの温度は/ホロウ・シカエルボク
鈍重な静寂が
沈痛な壁に反響して
この部屋は死人の居ない葬式のようだ
つい数分前の
ヨーロッパのロックの記憶も
たいした穴を開けることは出来なかった
たいした穴を開けることは出来なかった
理由なんてもう必要じゃない
憧れなんて抱いているわけじゃないし
お粗末な冠のシンドロームにファイルされて
北京ダックみたいに錠剤を詰め込まれているわけでもない
俺の狂気は果てしがないが
それを押さえ込むことの出来る
正気も同じだけ取り揃えている
ちょっときちがいなことくらい
たいした問題にはなりゃしないのさ
真夜中のカフェインがつまらないことを綴らせようとする
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