空っぽの 月/西日 茜
その箱はスケルトンの灰色で
どこにも蓋がみつからなかった
サイコロを転がすように その六面体の
一面ずつに番号をふって 開けようとしたが
開けられるような 切れ目がどもにもなく
途方にくれる毎日だった
あなたを直接抱きしめたかった
箱の中のあなたは いつも本を読んでいた
どうして本ばかり読んでいるのと聞いた
するとあなたは答えた
「いろいろなことが解るからだよ」
いろいろなことが解ってどうするんだろうか
いろいろなことが解ったって
私と触れ合えることがなければ何の意味も無いでしょ?
スケルトンの灰色の
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