神/山人
るのです、私の家にね」
「えっ!?」
俊介は愕然とし、「神」の顔を覗き込んだ。
「何も変な関係じゃないでしょう、娘なんですから」
宗教団体の教祖と娘が居て、娘は会員を勧誘、教祖は講義を行う。そう考えればひとつも不思議なことではない。
「可愛い娘ですが、不憫な子でしてね・・・」
そういうと、再び腰を上げた「神」は街の夜景を眺めながらとつとつと語り始めた。
--娘・・いえ、孝子でしたね。孝子はとても面白い考えを持った子でした。年頃になっても、どこか中世的で男の子に対しても臆面も見せず話しておりましたし、男の子のトモダチも多かったんです。言ってみればドライな関係とでも言いますか、ただ、貞操
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