笛吹き少年の行くえ(6)/Giton
は、町にでかけた少年が、雪の中で遭難して、死体となって発見されたという言い伝えのようです。
じっさいに、もとになる言い伝えが岩手県にあったのか、それとも宮沢賢治の創作なのかは分かりませんが、賢治はこのモチーフを繰り返し作品化しています。(注:童話「ひかりの素足」「水仙月の四日」、文語詩「訓導」など。とくに、前2作は、「この峡の岩鼻」にあたる遭難場所の目印も共通します。)
しかし、よく分からないのは、第3連の書かれた意味です。少年の遭難伝説というだけならば、1・2・4連だけで十分なのに、なぜ、〔B〕断片による3連が挿入されているのか?
しかも、雲間から太陽(ここでは「白天子」‥「日天子」の誤字?)が登場するやいなや、「児のすがたすでになかりき」と言うのです。まるで、少年は、「日天子」に襲われて命を落としたかのようです。。。
その謎は、次の推敲段階で、ある程度は解決するのですが‥
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