笛吹き少年の行くえ(6)/Giton
 
ででは、この〔B〕が、どうして、積雪を踏んで町へ出かける少年を描いた〔A〕断片とつながるのか、私たちには予想できません。。。


そこで、〔A〕と〔B〕が合体する「下書稿(三)」へ進みます:


   下書稿(三) 〔A〕+〔B〕

    口 碑

 若き母織りし麻もて
 身ぬちみな紺によそほひ
 藁沓に雪軋らしめ
 児は町に出で行きにけり

 青ぞらのひかりの下を
 ちりのごと小鳥啼きすぎ
 雪の蝉またぎと鳴きて
 くるみみな枝をさゝげぬ

 ほこ杉を雪埋みたる
 山峡のその奥ひより
 雲が燃す白金環と
 白金黒のいはやを
 白天子乱れ奔りて

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