笛吹き少年の行くえ(6)/Giton
り、すでに最初の段階から、太陽の出現のしかたに、怪異を読み取ろうとするモチーフが厳然としています。
最初から、記紀のおおらかな神話とは異質のものが目指されていたと言えます。
この〔B〕断片に対して、まずは、次のように加筆がなされます:
下書稿(二)手入れ〔B〕
ほこ杉たちて雪埋む
この山峡の奥ひより神楽にはかにうち湧けば
雲が燃す白金環と
白金黒のいはやをば
日天子いま
みだれて奔りいでたまふなり
「ほこ杉」と雪に埋められた「山峡」が加わり、ここで「神楽」がはじめて現れます。
杉は『冬のスケッチ』にもありましたが、この「ほこ杉」のモチ
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