笛吹き少年の行くえ(4)/Giton
せん。
それは、宮中祭祀としての「み神楽」、その音を伴奏として、暴力的に──あるいは滑稽に見えるほど乱雑に──「奔せ出で」登場する「日天子」と関係があるのでしょう‥
さて、そうすると、この文語詩は、「下書稿(一)」から順に見て行くことによって、はじめて理解されるものなのではないか──と思われてくるのです。(一)から(四)までの“推敲”の過程で、何かが隠されてしまったのです。。。
そういえば、天澤退二郎氏は、賢治の文語詩について、次のように述べていました:
「賢治の文語詩の生成過程──短縮とみえ凝縮とみえたその作業のひそかな本意は、こうして か く す こと、地下に地下構造を、地下礼拝堂(クリプト)をつくることにあったのではないか。」(注:天澤退二郎『《宮澤賢治》鑑』,1986,筑摩書房,p.172.(傍点つき文字を、ゲシュペルト[間空き文字]で示した)。クリプト(crypte フランス語):教会堂の下の穴ぐら。埋骨、礼拝に用いた。)
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