随筆 2014/Wasabi
 
秋に日が落ち夕食など済ませたあと、電器など点けず、開けた窓から入る街灯の僅かなひかりと月光のみで夜を過ごすは、いとをかし。日中夏のような暑さでも、夜には嵐になるなど心浮かし。窓あけて涼むにも、電器を点けては外から見え過ぎて悪し。カーテンを引くは風がうまく通らず。どうしてもといふ時にはアロマキャンドルなどの炎に頼るは、あはれなり。仄かな香に包まれ、微風に揺れる火を眺め、暫し心休めるはいとをかし。



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