ただの女/まーつん
綴じられた手紙の様に
君の心を読むことができない
それを
どうしても知りたい
僕のことを
どう思っているのか
今、自分が
ごつごつした
隕石に変身して
君という惑星の
引力園に捕らわれ
丹精込めて、
手を入れられた庭園へと
堕ちかけているのを
感じている
君が、その顔に
笑みを咲かせようと
日々の小道の傍に植えた
ささやかな喜びを
僕という岩塊が
台無しにしてしまう
飛び散った土くれ
轢死した花々
白く美しい家の庭に転がる
異様に不釣り合いな物体
そんな
厄介者
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