今年も/ドクダミ五十号
 
梅干しを
完熟した実を
塩に
およそふた月
ざるにあげて
日に晒す
塩分が凝結し
表面がきらきらら
結晶とはこれだね
豊満な実は
今やシワがより
熟していた面影は無い
けれどそれで良いのだ
身勝手ながら
大きいのも小さいものも
一緒くた
どいつもこいつも
しわしわさ
皮が破れた奴も居るが
それだけいとおしい
天候に左右されるが
時間をかければどうと言う事は無い
去年の梅干しも未だ有る
もっと昔の物もある
けれども毎年作る
習慣だろうね
秋は来た
みのりの秋だ
食卓を彩る数々を思うのだが
そこに一点
梅干し
絵の龍が生きていないと批難され
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