ココナッツマン!ワンダーランドの町を出る/オダ カズヒコ
 
ナッツマンを、アリーは無理やりキャデラックに押し込み、キーをブルンとひねり、アクセルをグンっと踏んだ。

「スピードの出しすぎ!」

ココナッツマンは思わず叫んだ。

アニーは、スピード狂だったのだ。

道端に転がっている干上がった鼠の屍骸を踏み、ポンっと跳ねが上がるキャデラック。
カーブでは、対向車の、ヤー系のおっさんを驚かすほどのギリギリのステアリングでハンドルを切り。

助手席のココナッツマンは、上着のポケットからタバコを取り出し、震える手つきで、落ち着こうとしたが、マルボロの箱から出てきたのは、萎びたマカロニだった。

仕方なくココナッツマンはマカロニに火を点け、
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