神南の風/番田 
 

誰もいない
立っていた 街の中に
立っていることを特に意識することもなく
そこに 立ちつくすこともなく

夏がはじまり
目を閉じた僕は
目を 閉じたまま
また 冬が 来る

なぜ季節の色は
想像の向こうにあるのだろう
夢に見たままの シュークリームをかじり
そのまま眠っていた

床屋と話す
提示された場所について 想像する
でも 今いる場所が思うその場所だったら
そこからどこに歩き出せば良いのだろう

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