ジカイダー/ただのみきや
 
雁字搦=がんじがら}めだった日々
ユメモドキ茸でアタリ煌いて


だが醒めてしまえば
竹竿の先で靡(なび)くぼろ布のよう
劣化して往く自己像に
自我蜂のひと刺し 
産みつけられた永劫の疑問符は
内から食むものを目覚めさせる


そうして不細工なモザイクが脳裏を埋めて往き
オセロよりも単純なルールが支配する
泥舟の船頭は沈むのみ
明日など欲せず沈むのみ
ああ未来は未完のまま
老いた子供となればいい
日曜日が溶けて行った
ソフトクリームを落とした夏の
涙も枯れてもはや嘘泣きだった秋の
導火線は途切れることなく
現在(いま)へと繋ながる臍(へそ)の緒だった
おれは奇形のピストルになる
冷たく暴発して



      《ジカイダー:2014年8月24日》





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