ぶっつけ未詩 8 (煮たヨルナ)/Giton
 
の理解できない説明を並べるだけで、よるな については何も教えてくれなかったのだ‥

そのために、ぼくはますます恐怖にとらえられた

それはきっと恐ろしい秘密にちがいなかった。こどもに教えてはならない大人たちの秘密にちがいないのだ。

そしてしだいにぼくの想像はふくれあがって行った。よるなはもはや、豚やニワトリのような家畜ですらなかった。

よるなは、こっそりと攫われて集められたこどもたちなのだ。
土色のコンクリート塀の向こうでは、おおぜいの攫われたこどもたちが、大きな鍋で煮られているのだ‥
ぼくの想像は、もはや確信に達していた‥
塀の向こうで鍋をかきまわしているアラビアンナイ
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