ぶっつけ未詩 8 (煮たヨルナ)/Giton
の理解できない説明を並べるだけで、よるな については何も教えてくれなかったのだ‥
そのために、ぼくはますます恐怖にとらえられた
それはきっと恐ろしい秘密にちがいなかった。こどもに教えてはならない大人たちの秘密にちがいないのだ。
そしてしだいにぼくの想像はふくれあがって行った。よるなはもはや、豚やニワトリのような家畜ですらなかった。
よるなは、こっそりと攫われて集められたこどもたちなのだ。
土色のコンクリート塀の向こうでは、おおぜいの攫われたこどもたちが、大きな鍋で煮られているのだ‥
ぼくの想像は、もはや確信に達していた‥
塀の向こうで鍋をかきまわしているアラビアンナイ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)