ケロイドも忘れて 七/
信天翁
遥かに漂う四次元よ
聴いておくれ
もう おいらの青い春は
赤い夏は
白い秋さえも
めぐりめぐって 戻っては呉れず
ただ汚血に淀んでばかりなんだ
あのときには肌に溶け
そのときには身に沁みた
「風」と「光」の木魂となって─
あゝ 先祖代々の墓石のうしろには
色褪せ苔むした卒塔婆が傾いている
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