水へ 水へ/木立 悟
 
な空を
偽の青にまたたかせて


鏡へ 瀧へ
裁き無き場へ
四角いものらは逃げてゆく
冬の舌など 想いもせずに


野に浮き沈む帆が描く曇
径を呑み 径を吐き
泣き止まぬ夜のはらわたの
あたたかなふるえに手を添える


水へ 水へ
心を知らぬ人のほうへ
待ってはくれぬもののほうへ
片方の目を見ひらいてゆく

























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