狼/opus
 

怖くはないか
怖い、だが不安はない
俺もだ
行くぞ
ああ

狼達は闇の中を行く
何処までも続く闇
ザッザッという足音のみが
辺りに響く
ザッザッ
ザッザッ

次第にその音さえも
聞こえなくなる
残るのは
足の感覚のみ
そして、
その感覚も失われた時、
彼らは闇と一つになった

彼らは
闇の中で
世界を駆けた
世界を眺めた
世界を包んだ

そして、
何もかもを理解し、
何もかもを恨み、
何もかもを赦した





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