Eyeと詩の間(はざま)で/ハァモニィベル
 
睫毛に言った
「もう眠ったのかい?」
「いいえ」
答えた口唇は
一瞬も動かず
間を置いてから
「死んでいるの」
そう語っていた


もう何処にも生きている窓はなく
道も もう 死に絶えている


《アンニュイに忍び込む残酷》は、 
ヒンヤリとした平然さで
目の前の花を鼻に変え
朽ち果てた匂いを漂わせ・・・立ち籠める

塞いだ鼻の――耳の奥で
見えない花の―音が触れあう

音なし草は、
死のひそむ繁みに
いつだって
咽ぶように揺れていた


音無葬の鼻模様


そのまま佇めば 佇むほど
冷たく時は 満開に枯れてゆく


音無葬の鼻
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