サカテカスの殺し屋/オダ カズヒコ
のソルトが キュッと前を見つめていた
さちが彼の目の先に視線を移すと
真っ裸になった男女が 丈高に組まれた櫓の周りを取り巻き
その数ときたら
ザっと百万人はくだらない感じだった
「アミーゴ 君も裸になれよ」
「やーよ」
ソルトはさちのブラウスのボタンに手を掛けた
「ヘンタイ!」
さちは彼の頬をパンっと叩いて サングラスが飛んだ
ソルトは地面に落ちたサングラス拾い上げ
さちの肩をグッと抱いて 「いいパンチだ」
そう言って唇を重ねてきた
その力強い感じに さちは抵抗できないでいた
彼の胸の隙間からさちは言った
「あなた鉄砲の弾に当たったんじゃ・・」
彼は例の不敵な笑みを浮かべながら
「俺について 君が知りたい
最後の質問のことだが」
「人を殺めること?」
「だったよな」
「そんなこと もうどうだっていいよ・・」
そう言ってさちは
彼の胸ん中に強く ギュッと頬とおでこを うずめていた
戻る 編 削 Point(3)