黒子の島/あおい満月
 

血にぬれた釘を持っている。
琥珀には目がなかった。
割れた琥珀のひとかけらから
蝶々が目をさまして
真っ赤な羽根を
血を滴らせながら飛んでいる
目のない琥珀は
笑いながらいう。
(あたし、生きているんよ。
生きているんよ。)

琥珀を舐めると
わたしからも目がなくなる。
わたしも笑いだす。
東の空が血に染まり
太陽が叫びをあげる
地球上に一つしかない石は太陽の心臓になる

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