冷凍カレー/番田
誰も知らない
夜明けが開けた時 僕は
コーヒーショップで考えごとをする
飲み物を飲む
きっとアイスカフェモカをすするだろう
いつも軽視していたことを
そして 考える 苦みの中で
何も知らない子供のように
海で泳ぐ 夢を見た
子供だから自由だった
殺伐とした今はそうだとは言い切れない時代だが
遠くにある 南の島を目指して
泳いだことを
思い出す そうして浮き輪をはめて漂流していた
涙は 流さなかった
今日もテントの中から 星空を見上げ
今ここにいる自分にしかない
その 風景を
手に入れることの幸福感を感じている だけど
それは 現実にはないから
今日も アパートから
二段階向こう側にある
アクリル画のような夢を見る そこで
インドのような
謎めいた幸福感を感じながら
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