ルーシー・ダウト/佐久間 肇
今朝、あまりにも小鳥がうるさいので。
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・・・・・闇で射った。
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小鳥は闇に射られて、鳴くことをやめた。
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射られた喉元から、躯の中に潜んでいた、あの子が現れる。
あの子は、見紛うほどの紅(くれない)の憂鬱と、
紺碧の楽天と、金色(こんじき)の絶壁をくるくる回して、
三角の頂点を行ったり来たりしていた。
喉元からじゅるりと出てきたあの子、は。
潜むことが大好きなあの子、は。
三角の
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