百鬼繚乱 < 1 >/nonya
葉っぱも
何も欲しくはない
本当に欲しいのは
本能がしたたる生臭い魂
欲情のてっぺんだけを食べるのが
わたしの贅沢
悦楽のまんなかで果てるのが
あなたの贅沢
OUMAGATOKI (逢魔時)
得体の知れない不安は
背中にこびりついて
人の危うい時間の中で
寄せては返す
見えないからと言って
何もいないわけではない
人の目はとても良く出来た
節穴のようなもの
たとえば昼の終わりと
夜の始まりの挟間から
にゅうっと突き出した
青黒くて細い指先に
震える背骨を掴まれたなら
人ではない何かが
見えてしまうかもしれない
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