11/きるぷ
 
何度も輪を描いて、いた、そこに。ブザーが鳴る。いつものことだった。今日、そこには、いつだったろう。帰る。そこで撮影する。引きずっている、今日はとても闇に浮かび上がって。泣いていた、変わって。わからない。島の?輪を、上を見ながら、啼いていた。見えるような気がした。そんなふうに時は過ぎた。風を。こんにちは。

 ほとんどすべての物が感受へと手招きする、
 曲がりかどごとに吹く風がささやく、思い出せ、と。
 わたしたちがよそよそしくやりすごした一日が
 未来のなかでふと贈与へと決意する。

思い出したかのように、後ろへ長く伸びたほうから出来事はぼくへ向かってさっと振り返り、唐突に挨拶をする。それをやはり曖昧な、層をなす一瞬の重さのなかでぼくは捉え、その無邪気な仕組みには傷つく他はないのだ。まだ知らないほうに向かって怯えながら、もう知っていたほうから脅かされて。
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