ボディレンタル/為平 澪
黎明の窓に帰る
名刺を交換したのだ
勿論
彼の体にも
私の名刺が赤裸々に
浮かび上がって
彼を脱がし続けている
今度 二人出会ったら
目が合うだけで
私は彼に犯され
私は彼を犯すだろう
仕組まれた罠のように 名刺を交換する
彼は気づかないまま
今日 舞台で 晒し者になり
赤黒いキスマーク身につけ
多くの人の喝采を浴て
客席に向かって ストリップしている
同じ覚悟で 私は羞恥の目に晒されている
私は さっき 道行く人に聞かれたのだ
(キミ、ハダカノママデ ドコマデイクノ)
と。
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