釦の追憶/瑞海
 
しれません

右肩が戦の傷で
少しえぐれたみたいですね
私もあの頃とは違い
顔に皺がたくさん増えました
あなたが褒めてくれた笑窪も
どれか分からないぐらいに


あなたに話すことたくさんあります
そろそろそちらへ伺いますから
決して皺くちゃお婆さんが
あなたの前に現れても
嫌な顔をしないでくださいね
出来れば気づいて欲しいけれど
もし忘れてしまったなら
もう一度お友達から
ゆっくり始めましょうか

時間はたっぷりあるのですから



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