焼跡/
梓ゆい
朝が訪れた廃墟の中で
瓦の絨毯を壊しながら
黒い土を掘り返した。
奥の押入れに眠ったまま
半分焼け落ちた赤表紙のアルバムでは
今しがた息を引き取った姉ちゃんが
飴玉をほおばりながら
笑っている。
遠くの煙を仰ぎ
父が手渡した金平糖は
寂しい味がした・・・・。
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