それと暮らしはまた別なだけ/BOOKEND
 


その涙のわけは聞かないよ
それよりも何よりもその口元についている
ウスターソースをどうにかしてあげなくちゃ

急に黙りこくった訳に興味はないよ
それよりも何よりもその視線の先にある
赤提灯から目をそらしてあげなくちゃ

微かに熱を帯びた手のひらは
向けるべき方向に伸ばして行けばいい

変わろうとして変われるほど人は簡単じゃないけれど
変わろうと思えることに自信を持てばいいじゃない

くるくるくるくる日々はかき混ざってくよ
オレはオレであの子のヒトミが恋しくて
鳴らした音色は乾いていたり届かなかったりを繰り返している

これは決して共感ではないんだ
泣きたいなら一人で泣いたほうがいい夜もある

アンタは右に
オレは明後日の方向に
それぞれ帰ろう
お家に帰ろう

夏がまあるい雲を呼び寄せるように
あの雨雲がいつかお日様と手をつなぐことを願いながらサ


戻る   Point(0)