爆風/かのこ
 
冬の上空で爆風が唸る
大きな空気の塊が
私の頬を圧す
熱くなった目蓋を
どんどん冷やしていく

また私、
此処に飛ばされてきたんだね
波にのまれて
飛ばされてきたんだね

髪は泣き喚いて
耳は塞がれる
熱は流れて
唇は乾く

ねぇ私、
いつになったら自分の足で
地面を踏みしめて行けるんだろう

爆風はだれの悪戯でもないのに
戻る   Point(1)