リノケロスの肉球/ハァモニィベル
 

際立つ程にハードボイルドな
その猫の
その痩(こ)けた顔  その鋭い目
そして その・・・油断のない鼻の
すぐ前に・・・!


松毬(まつぼっくり)がひとつ
落ちていた


・・・・・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・。


まるで、・・・


何事もなかったように
すぐに、もう 彼は
ふたたび歩きはじめた

もう
彼にあるのは
固い舗道のザラつく感触のみ




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