オレンジ/BOOKEND
夜がとけて
やがてまた朝が来る
眠気眼でヒトゴロシのニュースを聞かされて
アテにならない占いを聞き流す
いつも同じ車両に乗ってしまうのはどうしてなんだろう
そんなことに疑問を持ったって誰かがシアワセになるワケじゃないけれど
乗り換えの駅ではいつも
不機嫌そうな藍色のカバンを見かけるよ
夏の間はいつも
つり革よりも冷たい何かを探している
優しさばかりを求めていたって温もりは手に入らない
人はなんでそんなにつながりばかりを求めるんだろう
願いはひそやかに
想いは荘厳に
言葉はいつだってただの飾りにすぎないさ
あきがくるまで、海でぼんやりしてえなあ
な夏ド真ん中
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