歩く/大覚アキラ
突然
だけど
さりげないカンジで
手をつないでみたりして
そんなことには
深い意味なんかないや
とか
ぼんやりと考えながら
やっぱり
手は離さないままで
歩く
陽が当たっているところは
暑いぐらいなのに
日陰に入ると妙に肌寒くて
ぼくの
二の腕に触れている
君の
胸のあたりのカンジが
それはそれで悪くはない
なんて
冷静を装いながら
歩く
どこか
目指す場所があるわけでもなく
ただなんとなく
こうして二人
歩く
だけで満たされる時間
交わす言葉もいらない
景色さえも必要ない
歩く
という行為に
二人で没頭することに
意味があるのだ
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