陽子のベクトルは太郎を指向するのか/草野大悟2
 
う訳である。
 その太郎は、「俺、働きたくないモンネ大作戦」を着々と進行させていた。
「おやじ、今からの世の中は、学歴だよ、絶対」
「それで、大学院に行くことにした。大丈夫、国立大学狙うし、奨学金貰うから」
「とりあえず三校受けてみようと思ってる」
それを聞いていた文枝は、
「だ、だ、ダイガクイン?」
 文枝の言葉を聞いた宗一郎は、
「うむ・・・」
 ということで、今回は幸運にもビンタもとんでこず、また、勘違いも甚だしい期待もかけられず、意外なほどスンナリと受験の許可と、ひょっとして合格した場合、大学院にいってもよろしいとの許可を得たのだった。

佐藤陽子様
 陽子、テ
[次のページ]
戻る   Point(1)