陽子のベクトルは太郎を指向するのか/草野大悟2
たくなる美しさ。花崗岩の白に太陽の光が反射し、あたり一面キラキラと輝いている。その光に包まれ陶酔状態の太郎の耳に
「僕、このまま死んでもいいです」
きっぱりとした北の言葉が飛び込んできた。
「じゃ、死ねば」
「ええ、いつかそうします」
「そう、そうしなさい。そのときは、俺、お手伝いしてやるし」
「守田さんの、守田さんの世話にだけはなりたくありません」
「何で? 人の好意はありがたく受けるもんだよ、北君」
「何ででもです!」
「そう、北君、俺のこと嫌ってるんだ」
「いや、嫌っている訳ではありません。むしろ、ある意味尊敬してるんです」
「そう、北君、尊敬してるんだ、俺のこと。ね
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